お知らせ 2026.11.08

赤ちゃんの棺「夢旅(ゆめたび)」は、2021年11月22日に完成しました。この2026年11月で、ちょうど5年を迎えます。

この5年のあいだに、夢旅は全国のご家族のもとへ、そして多くの医療機関へと届けられてきました。節目にあたり、夢旅がどのように生まれ、何を大切につくられてきたのかを、改めてお伝えしたいと思います。

赤ちゃんの棺「夢旅」動物柄。大小2つのサイズを並べたところ
赤ちゃんの棺「夢旅」くまと星の柄。大小2つのサイズを並べたところ

夢旅はS・M・Lの3サイズ展開。赤ちゃんの大きさに合わせてお選びいただけます。

はじまりは「ちょうどよい棺がなかった」

Nagomiの活動を始めてから、流産・死産などで赤ちゃんを亡くされたご両親に、繰り返し同じ声をいただいていました。

「小さな赤ちゃんにちょうどよい棺がなかった」

「一般的な棺では大きすぎて、赤ちゃんがひとりぼっちに見えた」

「どこで手に入れればよいか分からなかった」

当時、小さく生まれた赤ちゃんのための棺は、ご家族が選べる「製品」としてはほとんど存在していませんでした。病院が独自に調達していたり、ご家族が自分で探さなければならなかったり。ときには、紙の箱で代用するほかない——そうした現実がありました。

これは、決してまれなことではありません。厚生労働省の人口動態統計によれば、日本では年間15,323胎の死産(妊娠12週以後の死児の出産)が報告されています。1日あたりに換算すると、40人を超える赤ちゃんが、産声をあげることなく生まれてきていることになります。

出典:厚生労働省「令和6年(2024年)人口動態統計(確定数)」より。死産数15,323胎(前年比211胎減)。死産の定義は「妊娠12週以後の死児の出産」です。

厚生労働省 人口動態調査

それだけの数のご家族が、ある日突然、お別れの準備をすることになります。けれども、そのための選択肢は驚くほど少ないままでした。

この現状を変えたい。それが「夢旅」の出発点です。

「夢旅(ゆめたび)」という名前

赤ちゃんが安らかに、夢の中で旅立っていけるように——という願いを込めて名付けました。「夢を見ながら旅をする」、そんな穏やかなイメージを大切にしています。

つくるまでの道のり

棺をつくるにあたって、まず「どんな棺にしたいか」をはっきりさせることから始めました。

大切にした4つのこと

  • サイズ:小さな赤ちゃんに合ったサイズであること
  • 色・デザイン:悲しい状況の中でも精神的な安定につながる、温かみのある色であること
  • 素材:火葬に適した素材であること
  • 価格:できるだけ多くのご家族に届けられる価格であること

しかし、小さな赤ちゃん用の棺を製造した経験のある業者は、ほとんど見つかりませんでした。複数の業者へ問い合わせ、断られ、また探す。そのくり返しでした。

ようやく条件に合う業者と出会ってからも、道のりは平坦ではありませんでした。最初のサンプルは「大きすぎる」「形が合わない」。実際に赤ちゃんを亡くされた方の体験談を参考にしながら、何度もサイズを調整していきました。

色についても、白や黒の一色ではなく——悲しい状況の中でも、少しでも心が安らぐ色を。そう考えて、温かみのあるクリーム・ベージュ系の色合いを選びました。業者と何度も色の打ち合わせを重ねた末のことです。

夢旅の仕様

サイズ展開

  • Sサイズ(A5相当)— 在胎週数16週前後〜
  • Mサイズ(A4相当)— 在胎週数22週前後〜
  • Lサイズ(A4より大)— 在胎週数28週前後〜

※週数はあくまで目安です。赤ちゃんの体格により異なります。迷われた場合は、ひとつ大きいサイズを選ばれる方が多くいらっしゃいます。

素材:火葬に適した素材を使用

<特徴>火葬までの保冷などにも強く、火葬後に遺骨に悪影響を与えにくい

色・柄:温かみのあるクリーム・ベージュ系、爽やかで優しいブルー系など

動物・くまと星・風船・レインボーなど、やさしい柄からお選びいただけます。

セット内容:棺・敷きふとん・掛けふとんの3点セット

※お布団のデザインは時期により変わることがあります。枕は別売りです。

赤ちゃんの棺「夢旅」おもちゃ柄と、手編みのベビーシューズ

5年間、途切れさせずに届けてきました

夢旅は2021年11月の完成以来、今日まで一度も供給を止めることなく、お届けし続けています。

現在、夢旅をはじめとするNagomiの製品は、全国複数の医療機関——大学附属病院、医療センターなどの官公立病院、産婦人科病院・クリニックなど——でもお取り扱いいただいています。また、グリーフケアやペリネイタルロスに取り組むNPO法人やピアサポートグループでも活用いただいています。

ご家族がご自身で選んで購入される道と、病院でお別れのときにそっと手渡される道。その両方を用意しておくことが、私たちの役割だと考えています。

Nagomiのグリーフケアの中の「夢旅」

夢旅は、単独の商品としてではなく、手作り産着「はぐ」やベビードレス、冊子、オンライン個別相談、分かち合いの会といった取り組みの中に位置づけられています。棺をお届けして終わりではなく、ご家族のその後の時間にも寄り添い続けたい——そう考えています。

届け方は、ひとつではありません

夢旅は販売を通じてお届けしていますが、Nagomiの活動はそれだけではありません。手作り産着と冊子については、助成事業を通じて医療機関へ無償でお届けする取り組みを続けています。

産着・冊子の無償提供(全互協 社会貢献基金助成)

  • 2024年度:全国35施設へ産着・冊子393セット
  • 2025年度:全国23施設へ産着・冊子281セット

「急なお別れで、何も用意できないまま時間が過ぎてしまった」——そうしたことが少しでも減るように。病院にあらかじめ届けておくこと、ご家族がご自身で選んで取り寄せられること。その両方があってはじめて、必要なときに手が届くのだと考えています。

活動全体へのご評価

ありがたいことに、Nagomiの活動は第三者の方々からもご評価をいただいてきました。いずれも夢旅という製品単体に対するものではなく、グリーフケアの取り組み全体に対していただいているものです。

  • 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)社会貢献基金助成に2年連続で採択(第25回・第26回)
  • 北海道新聞にて複数回にわたりご紹介
  • 市民活動情報誌「みんなのしみサポ」第65号に掲載

2026年、2つの学術集会に出展しました

2026年、Nagomiは助産・母性衛生の分野を代表する2つの学術集会に出展し、全国から集まった医療従事者の皆さまに、夢旅をはじめとする製品を直接手に取ってご覧いただきました。

第40回日本助産学会学術集会

  • 会期:2026年9月5日(土)〜6日(日)
  • 会場:同志社女子大学 京田辺キャンパス(京都府京田辺市)
  • 学会創立40周年の記念大会

第67回日本母性衛生学会総会・学術集会

  • 会期:2026年10月9日(金)〜10日(土)
  • 会場:大津市民会館・琵琶湖ホテル(滋賀県大津市)

いずれの会場でも、助産師・看護師・医師をはじめとする多くの専門職の方々にブースへお立ち寄りいただきました。2つの学会をあわせて、30近い医療機関の方々と直接情報交換をさせていただいています。

会場でいただいたお声

「こんなに可愛い棺があることを、知らなかった」

「サイズがこれだけ豊富にそろっているのがいい」

「実際に棺を目で見て、つくっている方と直接お話しできる。それがとても温かい」

「インターネットには情報があふれていて、それだけではなかなか分かりにくい。こうした公式の場で、背景まで含めて教えてもらえると、とても分かりやすい」

「代表がNPO法人の活動も牽引されていると知り、ぜひ応援したい」

特に多くいただいたのが、助産師の皆さまからの「こうした棺があること自体を知らなかった」というお声でした。「小さな赤ちゃんにちょうどよい棺がない」という課題は、長いあいだ現場で共有されながらも、なかなか表に出にくいものだったのだと、あらためて実感しています。

また、「もっと良いものにしていくために、一緒にやりましょう」というお声を複数の医療機関の方からいただきました。製品の改良についても、医療現場との連携についても、ここから新しい取り組みが生まれていきそうです。

学会という場で、顔を合わせて直接ご説明できることの意味を、私たち自身が教えていただいた2日間でもありました。いただいたご意見は、今後の改良と新しい取り組みに生かしてまいります。

ご施設での導入をご検討いただける場合は、どうぞお気軽にお問合せください。

選べるようになっていくことを、願っています

近年、赤ちゃんのための棺に取り組む方々が、少しずつ増えてきました。

かつては「選択肢がないこと」が当たり前だったこの分野で、ご家族が選べるようになっていくことは、とても大切なことだと考えています。5年前に私たちが願ったのは、まさにそういう未来でした。

同じ思いを持つ方が増えていくことを、私たちは歓迎しています。そのうえで、早くからこの課題に向き合い、5年間届け続けてきた者として、これからも品質と誠実さで応えていきたいと思います。

赤ちゃんとの大切なお別れの時間が、少しでも温かく、赤ちゃんへの愛が伝わるものになってほしい——その願いは、これからも変わりません。

Nagomi 代表 村田 美沙希

グリーフ専門士・看護師

ご購入・お問合せについて

夢旅は、NagomiオンラインSHOPよりお求めいただけます。サイズにより価格が異なります(2026年11月現在、10,500円〜15,500円)。

お届けについて

お別れまでの時間は限られています。2025年から2026年にかけての実績では、ご注文から発送までの時間は24時間を切っています。

ご入院中でご自宅にお届けできない場合は、病院宛の発送にも対応しています(ご注文時に病院名・病棟・病室をご記入ください)。日本郵便のゆうパックでお届けし、配送状況は追跡でご確認いただけます。

病院・クリニック・助産院など医療施設でのまとめてのご購入をご検討の場合は、お問合せフォームよりご連絡ください。医療従事者の方からのご相談もお受けしています。

また、お急ぎの場合にかぎり、商品のご注文・ご質問(サイズの選び方、お届け先や納期のご確認など)をLINEからもお送りいただけます。

※LINEは、お急ぎの方の、商品のご注文・ご質問にかぎったお問い合わせ窓口です。それ以外のお問い合わせは、お問合せフォームよりお願いいたします。